転勤族が家を買う場所

転勤族はどこに家を買う?

「転勤族だけど家を買おう」と決めたら、まず場所をどこにするかという問題が出てくると思います。ここでは、実際に家を買った転勤族の例を挙げながら、この究極に難しいテーマについて考えてみようと思います。

転勤族が家を買う場所

転勤族が家を買う場所の選択肢としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 現在、家族みんなで住んでいるところ
  2. 夫の実家の近く
  3. 妻の実家の近く

妻の仕事の都合などの理由もあるかもしれませんが、ダントツ1位の理由は「子供に転校をさせたくない」からです。

私の身内や友人にも転勤族で家を買った人が何人かいますが、そのほとんどが≪1.≫の「現在住んでいるところ」に家を買っています。

  • 夫の実家が関東、妻の実家が九州 → 北陸で購入
  • 夫・妻の実家が関西 → 北陸で購入
  • 夫・妻の実家が関西 → 千葉で購入
  • 夫・妻の実家が関西 → 横浜で購入(転校を伴う)

このように、双方の実家からとても遠く、もともとは縁もゆかりもない場所である「今住んでいるところ」に家を買っている人が実際に何人もいます。すべて定年まで転勤の可能性がある人です。

全員に共通していることは、長子が小学生のうちに家を購入したということです。横浜の人だけ、予算の都合上、その時住んでいた所ではなく、その時「夫が通勤していた事務所へのアクセスが良い場所」に購入したため転校を伴っています。

わが家も同じパターンです。夫の(その時の)通勤に便利で、子育て環境の良い場所に土地を探し、注文住宅を建てました。子供が小学校3年と幼稚園年少の時で、上の子は転校を伴っています。

ただ、わが家の場合は双方の実家が近県なので、いざとなったら頼れないこともないという場所だったことも大きな要因です。

しかし、上で紹介した例ではすべて双方の実家からかなり遠い土地です。いずれも妻の仕事の都合ではなく、子供の環境を重視しています。横浜の人以外は、当時の子供の校区内で家を建てているので転校を伴っていません。

このように、小学校~高校などの子育て全盛期に、子供がなじんでいる環境から移動せず暮らすために家を買う人がとても多いのです。

なぜ「現在住んでいるところ」に家を買うのか

転勤族が赴任先で家を買う理由のほとんどは、住んでみて自分たち家族に合った環境である、住みやすいということでしょう。

いくら子供が学校や地域になじんでいても、親がなじめないならそこに家を買うということはないと思います。その前提で「子供に転校をさせたくない」という理由が発生します。

家を買う上での不安はいくつも挙げられます。

  1. 治安
  2. 利便性
  3. 地域になじめるかどうか
  4. 学校などの評判
  5. 騒音・異臭などの問題がないか
  6. 近隣トラブル
  7. 陽当たり
  8. 地質や地盤
  9. 建物の耐久性など

一度住んで、実際に子育てしたことがある場所を気に入ったなら、そこは最強の場所です。上の不安の1~4の基準をクリアしています。5~8についても、しっかり土地を選べばクリアできることが多いです。

しかし、一度も住んだことのない土地の場合、すべての不安を想像だけでクリアしなくてはなりません。

夫も(その時点での)通勤がしやすい場所で、妻も子供もなじめる場所が子育て世代には最強なのです。

子供へのメリット

地域によって、使っている教科書や授業の進め方などは違います。公立小中学校の学力レベルも違うこともあります。転校のたびにそれらに順応する能力が必要になります。自分のほうが進んでいても、遅れていても、子供への負担は大きいことになるでしょう。

また人づきあいなどにおいても、言葉や文化面でのささいな違いがあります。それらをクリアしても、すでに出来上がっているコミュニティへ入り込むことは、大人にとってもなかなか勇気の要ることです。

たしかにうまくクリアできれば、人間として成長する大きな自信につながるでしょう。

しかし、自分に合ったとても良い環境から、そうでない環境に移ったとき、子供自信の適応能力だけでは乗り切れないこともあるのではないでしょうか。

また、中学2年生以降の転校は、高校受験の内申点にかかわってくるため、余程でない限りしないほうがいいという意見も多いようです。多感な時期に環境ががらっと変わることが子供に負担を与えることも少なからずあると思います。今住んでいるところを子供が気に入っていれば、そこに家を買って子供時代を過ごさせてやりたいと考える親は多いでしょう。

大都市へ通学しやすい場所に家を買う場合には、高校卒業後の進路についても選択肢が多いので、下宿などをさせなくても良いというメリットもあります。子供が下宿しても、夫の単身赴任ほどの費用がかかります。

転勤族が家を買うことについての経済的なメリット・デメリットについては、以下のページも参考にしてみてください。

賃貸と持ち家

夫や妻の実家近くに家を買うという選択は?

転勤族の場合、近くに頼れる存在があると有り難いものです。ただ、双方の実家近くに家を買うくらいなら、親世帯と同居する人が多いと思います。

もちろん他の兄弟家族が実家で親世帯と同居している場合は、その近くに家を建てることもあるのかもしれません。もし、夫の勤務先支店や営業所が近くにあり、今後そちらへ異動してくる可能性が大きいなら、そこに家を建てるという選択肢もアリでしょう。

しかし「何かあった時に助けてもらう」というだけの理由なら、おススメはしません。

妻の親世帯の近くに家を建てるのは、以下に当てはまるときだけにしましょう。

  1. 親の現在進行形の介護のため
  2. 通勤可能な範囲に夫の勤務先の支店・営業所があり、今後異動してくる可能性がある地域
  3. 2の条件にプラスして夫も実際に住んだことがあり、親子共々なじめる地域

夫の実家もなく、夫が定年まで帰ってくる可能性のない地域
―つまり夫にまったく関係のない地域に「夫名義」で家を買うことはやめましょう。

長期休みになると、子供と自分だけで、夫を置いて自分の実家へ長期帰省する妻と同じことです。夫をATM扱いしていると見られても仕方がありません。家族の一部だけに負担をかけると、家庭が破綻する危険が大きいです。

資産価値が維持できる立地を選ぶ

購入した家を将来売却する可能性があるなら、資産価値が維持できる物件を選ぶことも大切です。

もちろん、購入したときの価格以上で売却できることはまずありません。その間、家賃を二重払いしながら暮らしていたと仮定した場合より節約できていたら失敗ではないのです。

マンションなら駅から徒歩5分、戸建なら駅から徒歩圏の物件が資産価値が落ちにくいです。一戸建てなら、建物の価値は木造なら20年強でなくなります。借入可能額上限までローンを組ませようとする業者や、建物に過剰な利益を上乗せされる大手ハウスメーカーの家はおススメしません。

立地重視で、建物は実績のある地元工務店などで適正価格で建てるほうがいいと思います。

まとめ

転勤族が家を買う場所として、おススメなのは以下の通りです。

  • 家族みんなで住んだことがある場所
  • 夫が定年までに、また帰ってくる可能性が高い場所
  • そのうえで夫が通勤しやすい場所
  • 子育てしやすい地域
  • 資産価値が維持できる立地

実際に住んだことのある地域が最強ですが、私のようにその地域では予算がかかり過ぎて手が届かないという場合もあると思います。夫の通勤の便を中心に考え、治安などについては徹底的に調べて現地へ足を運んでみましょう。子育て世代に人気があり、公立小中学校の評判が良い場所なら、よほどでない限りなじめるのではないかと思います。

家族にも経済的にも負担のかからない暮らしを目指してがんばりましょう。